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ソムニア 悪夢の少年のshihoのレビュー・感想・評価

ソムニア 悪夢の少年(2016年製作の映画)
3.6
幼い息子ショーンを亡くした夫婦は養子を迎える事にする。
引き取った少年コーディは、以前の里子2組が育児放棄のように失踪してしまった可哀想な子。
彼には不思議で危険な能力があった。それは彼が夢を見ている間、そこに出て来るものが現実に現れるというもの。
コーディは蝶が好きなので、キラキラ蝶が出て来る分には無害だが、悪夢になるとキャンカーマンという化け物が出てきて、彼の本当の母親も、いなくなってしまった里親も、そいつに食べられたのだとコーディは言う。

夢に関連するホラーっていうととても好物だなと観てみました。
わりかしファンタジックなイメージで観てたら結構怖がらせられました笑!
この里親夫婦の奥さん(主人公)は、部屋に1枚だけ飾ってあった亡き息子との家族写真をコーディが見たことで夜に亡き息子ショーンの幻影が現れるもんだから、わざわざ昔のホームビデオ見せたりしつつ夜な夜なそれを期待して居間で待つようになる。コーディの健康状態より息子の幻影に会うことを優先してしまうんですね。
しかし途中からその幸せな息子の幻が不気味に変化しこちらに牙を向いてくる描写はなかなかよろしかったです。

キャンカーマンは速いし力もあるし物理的に人をそこから消してしまうくらい強いんですけど、出てくる度に「亜人」って漫画に出てくるゴースト(だったかな?名前忘れた)ぽいなぁと思いました笑

登場時は「きたぁ!!」って感じはあるのですが、何分スピード感に溢れすぎているのでもう少し焦らしつつ登場してほしい気持ちもありました笑。

ストーリー的には、序盤のグループセラピーから始まり終盤の謎解きに至るまで、きちんと伏線を張りつつホラー描写で怖がらせながら作られている点は好感が持てました。
でもこの母親は自分本意な行動が多かったのが嫌でした。
息子を失った母親の苦しみはわかるのですが、途中までの「おいおいおいおい…」っていう行動から痛い目見てやっと行動起こしたらあっという間に一人で解決してしまうのはご都合主義だなと思いました。

父親の方がよっぽどコーディときちんと向き合い妻子を守ろうとしていましたね。

ラストの駆け足感が勿体なかったのと、キャンカーマンに立ち向かう事でこの夫婦の絆の修復、コーディの心の傷を癒し、3人で本当の意味で家族になるという物語にすればもっと良作になったろうと思います。
(個人的な好みの話ですが)

あと蝶々がな、登場シーン多いからもうちょっと鱗粉キラキラ幻感がほしかったかな。まぁまぁキモかった笑

コーディ役のジェイコブくん(『ルーム』の子)は相変わらず頑張っていましたよ!子供なのに色々気にしながら大人と話してるのが可哀想だったので、もっと無邪気に笑わせてあげたいですね。
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