Jun潤

人生の約束のJun潤のレビュー・感想・評価

人生の約束(2016年製作の映画)
3.4
2020.07.12

予告を見て気になった案件。

富山県射水市を舞台に、全てを失った社長・中原が死んでしまった親友・塩谷との約束を通して再生していく物語。

大筋は面白かったです。
ただ、中盤から祭りや地元住民との交流がメインになっていたものの、序盤は中原の会社の不祥事を扱ったりと全然違う雰囲気になっていたのは気になりました。
しかし、中原の部下・沢井との「中原が大切なものを見落としていたら気付かせてほしい」という約束、そして娘の瞳との「中原と会ってほしい」という約束、死んでしまった塩谷が遺していたこの二つの約束が、タイトルにもある「約束」と繋がった時にはスッとしました。
さらに、途中までだった瞳との約束を、中原は瞳に塩谷自身のことを知って欲しいと続けるつもりだったのではないかと解釈し、その約束も果たしていたと思います。
そして、必ずまた会いに来るという約束を瞳と交わす中原。
人生はそういった交わした人の生死も事の真偽も問わない「約束」によって人との繋がりが生まれていくものなんじゃないかと感じさせてくれました。
その繋がりの象徴としての盛大なお祭り。
エンドロールには、その祭りが終わった後の静けさのようなものがありました。
Jun潤

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