原作はシェイクスピアの『シンベリン』といぅ戯曲から。
狭いステェジで観客の視界のフレィムに収める必要がある「舞台」と、カメラを自在に操って様々な視点から詳細を伝えることができる「映画」っていぅのはもぅ性格が違うと思うの。
例えば、映画だったら、遠く遠くすんごく遠くまで静かに歩いていく男の背中をただただ長巻きで撮るだけで絵になるコトに対して、舞台なんてのはあのちっちゃぃ場所で隅々の観客の心を満たさなきゃいけなぃんだからそんりゃもぅ演技は大ぶりでしょぅ笑。
舞台劇とは、おかしみなくしては語れないと思うのですよね。
ちょっと酷評もありますが、映画といぅより、舞台を見ている感じで観ていただくば、いろんなことが許せる作品だと思うわ。
シェイクスピアと言えばロミジュリだし、リア王だし、オセロだし。でも監督がわざわざめちゃめちゃマニアっくなシンベリンを選んだところにそもそものセンスが垣間見れるのではないかしら。
これまたシェイクスピア作品の中でもすこぶる評判の悪い作品で、それを映画にしようっていうのがイキだと思うのですよね。
原作は古代ローマ時代のブリテン王国のお話らしく、ブリテンの国王を、麻薬王であるマフィアのボスに置き換え、グーグルさんやスマホなんかの小道具で現代版リメイクですよ感も出ております。
ちょいと馴染みのない名前が多いのは、原作そのままの名前を使っているのと、嫁の貞節で賭け事したり、カバンに隠れて家に忍び入るとか、その辺も原作そのまま。
途中カエサルとアウグストゥスのくだりが出てきたときにはププとなるマニアっくなアタシ。
この作品は真面目に観ちゃイヤ。戯曲なんだってば。誰かさんのひとつの言動が、次の何かを呼んで、次から次へ展開される典型的な劇なの。
結論。イーサンはそこまで主役じゃない。
映画から舞台へ興味を引くというのもありかもしれない。きっとこの監督はシンベリン、好きなのでしょうかね。人気のない戯曲の知名度を上げたいと頑張っておられた感じが勇ましいと思ったわ。