うえの

ヒメアノ〜ルのうえののレビュー・感想・評価

ヒメアノ〜ル(2016年製作の映画)
3.5
人生に大した目標もなくこのままでいいのかと焦りを募らせるビル清掃員のパートタイマー岡田と過去のイジメのトラウマからおかしくなってしまった同級生の森田。
2人を中心に描かれるジャニーズ主演のまさかのバイオレンス映画。

すっかり岡田准一以外テレビや映画で見かけなくなってしまったV6の面々。
世代的に学校へ行こうのイメージが強くて岡田准一以外は俳優としてあまり見かけたことがないなと感じていた。
そこで今作。森田剛の実に6年ぶりの映画出演にして初主演作。喰いタンでしか演技?を観たことないが、予想以上の評判の良さに思わず鑑賞。

濱田岳演じる岡田がムロ演じる先輩の安藤に佐津川演じるユカと仲良くなりたいから手伝って欲しいと頼まれ、訪れたカフェで高校時代に凄惨なイジメを受けていた森田演じる森田と再会したことから始まる森田というサイコキラーを描くのが本筋。
とにかく森田剛が怖い。虚ろな目、やる気のない身のこなし、話の噛み合わなさなどの細部から何をし出すかわからない野郎感がめちゃめちゃ出てた。
岡田を殺そうとする理由もハッキリとしていない。それなのに岡田を殺すためにおよそ10人近くを殺す一切の躊躇のなさ。こっわ笑。
しかしバックグラウンドが壮絶で単純に頭がおかしいと評することができない悲しい人間で高校時代のイジメのシーンには思わず苦々しい顔になってしまう。

対する岡田はケンカもできないような画に描いたようなヘタレ(のわりにユカに好かれる道理のいかなさ)で森田が迫る中、呑気に安藤の恋路を助けるフリしてユカとの恋仲を育むなかなかのクズ行為に没頭。
しかし実は岡田も森田に関して後ろめたい過去を持っており、なかなか森田のことを忘れられずにいる様子。
そしていよいよ始まる岡田への森田の狂行といったシーンから突然の荒々しい字体でのタイトルドカン!
まさかここにタイトルぶっ込んでくるとは笑。痺れたっす。

とても悲しくてやるせなくて怖い森田をを濱田岳の能天気さとムロツヨシのムロツヨシ演技でいい塩梅にエンターテイメントに仕上げた印象。
ムロツヨシの演技は全てムロツヨシになる笑。次世代型佐藤二朗枠。
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