公開時、ムービーウォッチメンで宇多丸さんが激賞してたが、多忙で観に行けず、ずっと気になったままだったのを、やっと観られた。
森田剛が凄いとか、ムロツヨシが怪演だとか、濱田岳がなんやらかんやらは聞いていたが、想像以上に良かった。
原作が古谷実先生というのもあるが、終始何か不穏な空気が漂ってくる。主人公の岡田以外、周りはなんやかんやヤバイ人ばかりに見えて、ずっと居心地が悪い。
そんなヤバさとギリギリの所でも、笑いがうっすらと散りばめられているところが、この陰惨な話を進めていける要素でもあるのだな、と感じた。
最後の最後で、森田が犬を連れた人を避けて、事故るのが、「あぁ、そういう訳なのか!」と分かり、「お母さん、麦茶持って来て!」のセリフと共に、一気に気持ちが犯人?森田に引き寄せられる。
途中に、「付き合ってる事がバレなきゃ大丈夫。」というシーンは、稲中卓球部を思い出した。
警察が余りに無能だろ!というツッコミはあるが、コレは落としどころのないなにかを突きつけられる秀作だ。