全てがふわっと描かれている。
キャストは豪華だけど、ほとんどは無駄遣い。彼らである必要を感じない配役ばかり。
エキストラレベルのジョバンニ・リビシ、一言も声を発しないので、クレジットを見ないと分からないジム・キャリー、キアヌである意味が全く見出せない教祖的存在の男、マッチョな見た目のインパクトと、子供を見るときの笑顔のギャップが肝のジェイソン・モモア、そして主人公のスキ・ウオーターハウスですらなんだか別に彼女じゃなきゃっていう感じはなかった。
近未来のテキサス州のとある刑務所ではある犯罪者の刑罰の一つとしてバッド・バッチと呼ばれる彼らをテキサス州法が関知しない無法地帯に解放する。主人公の少女は何をしでかしたのかまるで分からないが、その無法地帯にハンバーガーと水を持たされて一人放り出される。
主人公は、砂漠地帯であれよあれよという間に何者かに拉致され、あれよあれよという間に片腕片脚をノコギリで切り落とされてしまう。
凄い出だしだよね。
そう、彼女がこの映画の主役なのよ。
そこは、ブリッジと言って、人肉を食って生きてるマッチョな人たちの集落らしい。
彼女の手足は彼らの食事です。
グロはないよ。
さて、彼女はどうなるのか???
この説明なんかしないけど、グッと観るものの関心を掴むのはこの監督の得意とするところ。「ザ ヴァンパイア 残酷な牙を持つ少女」でもそうだった。そして、また同様に前半はほぼ台詞なし。
しかし、後半になるにつれ、ふんわりし過ぎて、いったいどうしたいのか分からなくなってきて、ただの雰囲気映画になってしまう。見せ場も特にないし、物凄く不釣り合いな主人公とジェイソン・モモアの関係には、まったく萌えっとしなかった。
ジェイソン・モモアの肉体は堪能できた。
最後もよく分からず。。。
という不出来な作品のようでいて、なんだか一歩間違えれば、すんごく面白い傑作になっていたかもしれないな、、、なんていう匂いはプンプンする。それくらい異色だし、映像センスとか、ユニークな音楽の使い方とか、決して嫌いになれない。
別の作品も見てみたくなる。これから期待の監督かも。