アクアマンに備えて、モモアの予習を。
世界観は悪くないのに、何これ酷い…。
近未来のテキサス州。荒野を彷徨う少女アーレン(スキ・ウォーターハウス)は荒地に暮らす「ブリッジ」と呼ばれるカニビリストに捕まり、右腕、右脚を切断されてしまう。辛くもその場を逃げ出したアーレンは「コンフォート」と呼ばれる安息の地に逃れる。しかし、そこはクスリ漬けの者達の仮初めの楽園だった。どちらの集落にも居場所を見出せないアーレンは、ブリッジのマイアミマン(ジェイソン・モモア)と出会う。
うーん。
うーん。
序盤のアーレンが右腕と右脚を切断されるシーンまでの展開は間違いなくこの映画が只ならぬ何かだと予感させる激アツの展開なのに!
タンクトップにショートパンツ。
このアーレンの衣装がイカしてる!
スイカ柄やニコちゃんマークのショートパンツ。
片腕だけのヒロイン。
義足のヒロイン。
スキ・ウォーターハウス演じるアーレンが、この荒廃した世界でどんな活躍を見せてくれるだろうと俄然期待も高まる!
なのに…。
そこからの失速ぶりよ…。
バッド・バッチと呼ばれる人々。首筋にナンバリングされたタトゥーを刻まれ、管理下に置かれた者達。アーレンもその一人だが、このバッド・バッチに関する情報が無さ過ぎる。
ザ・ドリームと呼ばれ、コンフォートで人々に夢という名のドラッグを分け与える男にキアヌ・リーヴス。この集落もこの男も何がしたいのかいまいち伝わってこない。締まりのない身体と中途半端な髪の長さのキアヌはビジュアルまで精彩さを欠いている。
おまけにモモア演じるマイアミマンは無口だし。
誰か、誰か、誰かまともなキャラクターはいないのか!?
砂漠でどれだけ叫んでも、誰も応えてはくれない。
バッド・バッチ、ブリッジ、コンフォート…。
それらしい設定で無法地帯を創り出すまでは成功しても、それらの説明は完全に欠落し、お陰で据えられたキャラクターの行動原理が理解出来ない。
結果、雰囲気だけの映画になっている。
雰囲気だけは良いのになぁ〜!
唯一良かったのは、ジム・キャリーが完全に気配を消して出演している事。
…全く気付かなかったー!!
おまけにこのキャラクターも言葉は発しない。
近未来を描くなら、語り部となるキャラクターぐらい据えて欲しいです。