ま2だ

シンクロナイズドモンスターのま2だのレビュー・感想・評価

2.2
シンクロナイズド・モンスター観賞。

酒癖の悪いニート女子をアン・ハサウェイが好演。目の下のクマまでキュートなのはさすが。これでこの映画のいいところの80%はおしまい。

ハサウェイの動きがソウルを襲う巨大怪獣とシンクロする、というのがあらすじだが、さすがに描写がスカスカ過ぎ、観客に間を補完する想像力を要請するにはもう少し映画そのものに誠実さが必要だろう。製作者のワンコンセプトを介護しているような心持ちになってしまった。

巨大怪獣とシンクロするのが卑小な人間の小競り合い、というのがキモのようだが、怪獣バトル的なカタルシスはほぼなし、物語の比重は次第に後者にかかり始める。片田舎での人間関係が次第にねじれていくのだが、そのねじれかたがいささか予測を超えてダークで少し面白いところではある。

ただしその回収の仕方を見ると、この監督の人間への興味の薄さみたいなものを感じ取らずにはいられないし、救わないならこういう描き方をするなよな、と思ってしまう。

本作が全体的にぼんやりしてしまっているのは、予算云々の問題ではなく、ハサウェイ演じる主人公のモラルの拠り所が不明瞭な点にあると感じた。

(いないと思うけれど)怪獣映画のつもりで観るととてもがっかり、アン・ハサウェイ目当てで観るとほんのり退屈な作品だな、と。
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