このレビューはネタバレを含みます
この壮大なのに地味な展開がたまらなくツボだし、
そうなんだよ!(クズ気質の女に寄ってくる)男ってこうなんだよ!とむちゃくちゃ共感した。超親切、与えて、与えて、捧げ倒して、うっかりそれに甘えたらズブズブ。ズバリ暴力的な支配だったり、献身という名の支配だったり、どっちに転んでも結局男に支配されて身動きできなくされてしまう。それに引っかかる方も相当なクズだけに、誰からも同情されず、理解もされず、あれだけ世話になっといて〜と責められ……
あれ、何の話だっけ。とにかくこの映画は中盤の転調からズキュンズキュンと来て、ラストは胸に渦巻く自己嫌悪やら何やらをポイっと投げ捨てたような気持ちになれる清々しい映画です。
てか、てかだよ。
この映画、自分にあんまり刺さりすぎたもので、客観的にはどうなんだろうって他のレビューみてたらさ、幼なじみの男すげー稀に見るやべぇ奴的な扱いされてる。
いやいや、ふつーにゴロゴロいるからああいう男!ってびっくりしたわ。むしろああいう男じゃないまともな人の方が少ないって印象。何かしら皆、関係が深まると徐々に支配的になるというか、コントロールしたがるというか。
それは多分、私が閉塞感漂う田舎町で男に頼って生きてきたクズ女だからなんだろうなぁって。私の生きてきた世界の方が特殊なのかなぁって衝撃を受けた。
それこそ、恋愛の本質っていうか、実態っていうか。そういうの上手く描いてて、上手すぎて苦しいわ!!と言うくらいズブズブに共感してしまったから、ああ、皆は、健全な生き方で、健全な関係の元、生きているんだなぁって、すごいショック受けたよ。
ダメ人間にしか刺さらない映画、というコメントがあったけど、ほんとに言い得て妙ですわ。