ベルサイユ製麺

シンクロナイズドモンスターのベルサイユ製麺のレビュー・感想・評価

3.3
かねてよりあちこちで指摘があるように、アン・ハサウェイは銀杏BOYZ峯田氏、バナナマン日村とほぼ同一人物であるわけで、そこに更にモンスターとシンクロするとなると最早収集がつかないのではなかろうか?
客席を裸でウロウロしてシャウトするモンスター。バラエティの司会で容姿を弄られるモンスター。あー、さほど問題は無さそうかな…。
とにかくアンハサを見たいし、怪獣も好き。この二つの化合物は当然好きに決まっとる。…世間の評価は今ひとつのようじゃが、日本ではその昔、獣肉食の習慣がなかったのはご存知かの?お若いの。先入観はいかん。ちゃんと味わえば良さは自ずと分かるんじゃ…。明鏡止水。心を無にしてWatch This Movieじゃよ。

…ぎゃあ‼︎何これ⁈全然面白くない‼︎
掴みこそB級モンスターマナーばっちりじゃんとか思ったけど、モンスター映画然としてるのは前半だけ。しかも、あんまり撮り方の工夫とか無いので本気度が疑わしい。…というか敢えて本気に見せないようにしてるかも?
後半に至ってはモンスターはマクガフィン的(なんか困る事の象徴)にしか用いられず、では人間ドラマが重点なのかと言えば、それも結局おんなじような揉み合いが続くだけ。ジェンダー論だとしても主人公当人に問題が有りすぎるし…。なにか高度なメタファーなのだろうか?仮にそうだったとしたら、分かりやすい面白さは不要なのだろうか?
何となく過敏になっているだけなのかもしれないけれど、作中「ウェス・アンダーソンみたい」なんていうメタっぽい台詞が有ったりして、“批評どんと来い”的なアティチュードが窺えちゃうですよ…。エフ・ユー・シー・ケイ!観客みんながみんなバークレー在住の評論家じゃねえぞ、と言いたい。言った。
褒めるところはきっちり褒めておくと、アン・ハサウェイ可愛い。これに尽きます。布団の虜のアンハサ…。酔っ払ってグデングデンのアンハサ…。これが銀杏BOYZ峯田氏だったら…普通。基本的に凛々しく麗しい印象しか持てていなかったアンハサにコメディエンヌとしての可能性を見出したのは手柄であった。ちょっと綾瀬はるかに通じる愛らしさですな。監督には褒美に使い切ったQUOカードを束で遣わそう。遠慮は要らんよ?

んー。アイディアはキライじゃ無いんですけどね。逆に言えば、面白くなりそうなアイディアをつまらない形で消費してしまった罪は重いのかもしれない。例えば、巨大化して万里の長城で踊り狂う老木怪獣クリストファー・ウォーケンとか見たかった。モルディブの海でバタフライする巨大水棲怪獣カトリーヌ・ドヌーヴが…。