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サウスポーのyumeayuのレビュー・感想・評価

サウスポー(2015年製作の映画)
3.0
ド直球、王道のボクシング映画

大切な人を失い人生のどん底を味わった男が再起を目指すって展開は、もう幾度も語り尽くされまくったもの。
登場人物も、なんかどっかで見たようなテンプレキャラばかり。
うーん、ボクシング映画って、もうジャンルムービーみたいなもんだから仕方ないかもしれない…。
だけど、僕はこのベタベタな展開嫌いじゃない!

そんな典型的なボクシング映画にも関わらず、飽きずに楽しく観れたのは、監督の力量と役者の演技力のおかげ。
特にジェイク・ギレンホールの演技は素晴らしかった。

彼はほんとに作品ごと印象がガラッと変わります。
今作では鍛え上げられた肉体はもちろんだけど、触るもの皆に噛み付くかのような攻撃的な雰囲気がよかった。彼のギョロッとした目が好戦的で迫力がありました。

奥さん役のレイチェル・マクアダムスは前半のみの出演ですが、相変わらずお綺麗。チャーミングといったほうがいいかな。
セコンド役のフォレスト・ウィテカーの演技はもはや説明不要。いつ見ても素晴らしい。
シンプルなストーリーだからこそ、役者の演技で魅せていく作品という印象でした。

肝心のボクシングシーンは迫力があったけど、いろいろ気になる点も。
ディフェンスを無視したインファイターで43戦無敗はちょっとリアリティに欠ける。無敗はともかく、あのスタイルで43戦は無理がある(ジャッジを買収していたみたいな台詞もありましたが)。
サウスポースタイルにスイッチするとか、L字ブロックとか、結構普通の技術がとっておきの必殺技みたいになってました。ここだけなんか妙に少年漫画チックで「はじめの一歩」みたいだった(笑)。

サウスポーにスイッチするというのは、自分のスタイルを変える="生き方を変える"という比喩なのかな。
タイトルになってるぐらいですし。

ジェイク・ギレンホール主演、アントワーン・フークア監督なので、映画としての完成度は間違いないし、安定の面白さなんですが、なんかちょっと物足りなかったというのが正直なところ。
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