ねぎおSTOPWAR

サウスポーのねぎおSTOPWARのレビュー・感想・評価

サウスポー(2015年製作の映画)
4.0
観ていない方には是非おススメしたい映画です。

「チャンプ」「ロッキー」「あゝ荒野」・・・・
ボクシング映画は数多く、文脈もまあまあ近しいものになる中、さすがだなあ。貧困、崩壊した家族などアメリカが抱える社会問題を背景にして登場人物たちが強く変貌するドラマ。アントワーンフークア監督って自身ボクサーらしいですね。そして同い年。ボクシングの試合の迫力の秘密はそんなところにあったんですね。
(・・ってこれ、そもそもは「チャンプ」のリメイクから話が始まったようですね!そして音楽を担当したエミネムの半生をモチーフにオリジナルストーリーにしていったと。役名なんだっけと公式サイト見に行ってびっくり!)

最後ミゲルとのクライマックス。11Rで選手目線での映像も何度かインサートされ、臨場感が究極に高まりましたね。そして満を持してのサウスポー作戦はわかっていても興奮させられました。
ストーリーもトレーナーのティック(フォレストウィテカー)がいい味、いいアクセントですよね。

個人的にこの映画観るに当たり、
ジェイクギレンホール + レイチェルマカダムスこの二人の共演は化学反応をみせるのかどうか!?というところでしたが、まさかモーリーンがこんな設定だったとは!そして演技と言う意味では前述フォレストウィテカーと娘役が迫真の演技。娘の心の揺れが表現されたことに驚き、同時に泣かされてしまいました。父の困惑、成長。そして今にも壊れそうな娘の孤独、寂しさ・・。






《以下詳細に触れますので観た方のみ読んでいただければ幸いです》

妻モーリーン(レイチェルマカダムス)が撃たれた理由ですけど、プロモーターのジョーダンが試合をさせようとしないモーリーンを疎ましく思ってやらせたのかなと想像して観ていましたが、最後もそのあたりに触れずに終わってしまいました。
で、今一度ビリーとミゲルの喧嘩を見直すと、派生してビリーの仲間とミゲルの弟ヘクターももみ合い、《ビリーの仲間が何かを見て反応して自身も銃を抜き、よけたところで銃声が響く》んですね。カメラには映っていませんが、ヘクターが興奮して撃った弾が、その仲間によけられて後ろにいたモーリーンに当たってしまったということなんでしょうね。そしてミゲルが弟に何やってんだ!と言いながら証拠の銃を受け取り、別の仲間に処分しろという意味合いで渡す描写もありました。おそらくビリーもわかっていて、施設の仲間だから、そしてモーリーンが戻ってくるわけじゃないので警察にも言わずにいたのでしょう。
このあたりに現実を感じました。