ぬーたん

二ツ星の料理人のぬーたんのレビュー・感想・評価

二ツ星の料理人(2015年製作の映画)
3.9
料理が主役の映画が大好き。
観ていて楽しいし美味しそうだし!
絵画のような芸術的なフレンチ、街のファストフード、とあらゆる料理が出て来て、ロンドンの街並みも楽しめた。

パリのレストランでのトラブルで第一線から遠のいていた天才シェフのアダムが、ロンドンで三ツ星を獲得するという夢を追う。
アダムをブラッドリー・クーパー。
逞しいマッチョな身体が素敵!
天才肌らしく料理へのこだわり方が完璧主義で、その傲慢さ故、周囲の人を傷つけ、自分自身をも傷付けてしまうという、繊細な、面倒くさい人物を、見事に演じている。

共に働くシングルマザーのシェフ、エレーヌにシエナ・ミラー。
『アメリカン・スナイパー』でのコンビが復活。
芯の強い女性を演じ、ドレス姿は女性らしく美しかった、そのギャップが良かった。
パリで同僚だったミシェルをオマール・シー。
『最強のふたり』以来、ほんと人気。またいい味出してます。
ロンドンの店のオーナー、トニーはダニエル・ブリュール。
『ラッシュ/プライドと友情』ではニキ・ラウダを演じた。
このトニーが要の人物で、密かにアダムに想いを寄せているのが健気でいい。
ユマ・サーマンとエマ・トンプソンが流石の存在感で締まりますね。

このアダムという男、キレ易いし、ワガママ自己チューで、観ていて腹立たしい。
天才ってこういう感じ、多いけど。
ごく普通のストーリー展開で在り来たりなんだけど、引き込まれる。
時間も100分とちょうど良い。
ラスト近くは、自己コントロール出来ないアダムが可哀想で、愛すべき男に感じていくから、大した脚本と演技だ。

気になった点
エレーヌとリースがシェフなのに煙草を喫っているシーン。
市場で仕入れた新鮮な魚を地面に放り出して抱き合うシーン。
料理映画のタブーだと思いますぞ!


ラストはサラリとしてるし、余計な会話もなくて、爽やか。
クーパーの演技が光る作品。
ぬーたん

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