牛猫

二ツ星の料理人の牛猫のレビュー・感想・評価

二ツ星の料理人(2015年製作の映画)
2.9
ミシュランの評価に囚われた天才料理人が本当に大切なものに気づく話。

ストーリー自体は過去の成功と挫折を経て、再起をかける中年男という至ってシンプルなもの。

高級レストランにありがちなお洒落なメニューばかりでてきて、見た目では楽しめたけど、料理はあまり美味しそうだと思えなかったのが残念。
湯気だったり音だったり、香りが伝わってくるようなシズル感があまりないのはこの手の映画では致命的。

演出上仕方ないのかもしれないけど、皿や食材をゴミのように扱っていたのも抵抗があった。仲間へのパワハラ描写も結構キツい。
殺伐とした厨房の様子が多い分、オムレツとバースデーケーキのシーンはとても印象的だった。

問題だらけの天才料理人をブラッドリークーパーが上手く演じてたし、調理場の仲間たちは個性的でみんなハマっていた。
エマトンプソンやユマサーマンがチョイ役の前菜のように出演していてめっちゃ贅沢。キャストだけなら星3つかも。

メッセージがはっきりしていて展開もスピーディで無駄がないけど、全体的に盛り上がりに欠ける感は否めない。
日本ではどうでもいいと思われがちなミシュランが、海の向こうでは星が増えた減ったでシェフが生きるか死ぬかの大問題になるというのが興味深かった。
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