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64 ロクヨン 後編のKHのネタバレレビュー・内容・結末

64 ロクヨン 後編(2016年製作の映画)
1.9

このレビューはネタバレを含みます

これこそ感動の押し付けだと感じた。
最後に押し付けがましいぺらっぺらな後日談みたいなのをつけたして、めでたしめでたしですか?

前編のラストが映画的に後編につなげるお手本のような素晴らしいラストだったので後編でいよいよ警察内部の不祥事が暴かれていくのかとわくわくしていたのですが、その事件についてはあっさり触れるだけで前編と同じく記者クラブと広報室のバトルというつまらない展開が多い印象。

演者としてはやはり永瀬正敏さんの無常観漂う演技、吉岡秀隆さんの自分の中の正義を貫き通す演技は見ていて息をのむものでした。なにもない人間が限界を超えた演技をうまく表現していたと思います。
しかしこの後編は前編のふりも何も生かせていない、前編あんなに何回もふっていた幸田メモについても少し触れただけでうやむやになっている。最後のドラム缶のシーンも、雨宮は失うものはなくあれだけを糧に生きてきたのだから犯人を目の前にしたら刺し違えても殺すという行動をしない理由がちょっと気にかかり無能な県警にガラを渡すのも理解できかねず、逆になぜ三上は犯人に私刑を行うほど熱心なのかの理由もはっきりせず結局三上は刑事に戻りたかったのか、広報に残るのかがブレブレで感情移入も難しい。第一最後に二渡に「県警を変えた」とか言われているが何が変わったの?1課の保身ヤローはどうせなんやかんやうやむやにして結局天下り先でいい生活するだろうし、ロクヨン捜査官班長もあと1年で定年で悠々自適の隠居生活、まぁ現実世界のほうがもっと悲惨な有様ですがね。このような感動美談にしてまた無知な一般人を盲目にしてやろうという魂胆に捻くれた自分は見てしまいます。

この映画をみて大絶賛している方々は、ぜひ清水 潔さんの「遺言:桶川ストーカー殺人事件」か「殺人犯はそこにいる」を読んでどういう感想を持つか教えてほしいです。(できれば高知白バイ衝突死事故も。。)

あと、若手俳優の収益目的の客寄せのためだけの起用からの無駄遣いも目立ってましたね、Filmarksのキャスト欄に坂口健太郎と窪田正孝って書かれてますがそれぞれ1分くらい、1セリフ、しかも別になくてもいいシーンという有様です。それより宇野正平さんのほうが活躍してただろ!なんでキャスト欄に名前ないんや!

(監督のタグを押して)「あっストレイヤーズクロニクルの監督か、(察し)」
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