結局カレー

64 ロクヨン 後編の結局カレーのレビュー・感想・評価

64 ロクヨン 後編(2016年製作の映画)
3.3
前編に続き鑑賞。事件がようやく動き出し、事件に振り回される三上。

被害者を昭和64年に置き去りにした未解決殺人事件のミステリードラマにしてはその解決までの筋道はやや強引というか「え?」って感じは否めず、評価が分かれる理由もわかる。

ただやっぱりキャストが良い。名前ばかりの豪華キャストじゃなく、ん?って疑問感を帳消しさせるだけの説得力のある演技にのめり込んだ。永瀬正敏と緒方直人の2人は特に目が奪われて、醸し出す雰囲気や目つきは他のキャストが霞むほどだった。「おじさんにも君より少し小さな娘がいたんだ。」って言葉を発したときの胸が締め付けられた感覚は映画を見終えた後も残ってたな。

事件って容疑者と被害者間だけのものじゃなくて、関わる人の人生を狂わせることだってある。昭和64年に取り残されていたのは当事者たちだけじゃなかったんだ。前編で感じたこれはミステリードラマじゃなくてヒューマンドラマだ、って認識は合ってたと思うし、ただそれは期待外れでなく事件の本質を描いていたからなのかもしれない。