MayumiM

クロッシング・ウォー 決断の瞬間のMayumiMのレビュー・感想・評価

4.2
ドイツ人が主役なのに悪態くらいしかドイツ語を話さない……という、アフガニスタンに派兵された兵士達と現地の人々の物語。
身内を失っているがゆえにアフガンにこだわってしまう兵士や反タリバンであるがために命を狙われる兄妹など、問題を抱えた人達がタリバンからの攻撃に備えている村に寄り添うように務めている姿が印象的。多少静か過ぎるし、大半を素朴な問題 (うっかり牛を殺しちゃったとか) が物語の大半を占めている辺りが冗長な印象を与えてしまっているかも。もっとドイツ兵と村人が打ち溶け合っていく過程を描写してくれればよかったんだけど、その辺りはサクッと流してしまっていた。
そんなこんなで薄味感が否めない展開が、ビタ一文の救いすらないエンディングにぐっと重みを感じさせるトコロは……正直、ちょっと卑怯 (苦笑)。イェスパーの軍法会議は致し方ナシとしても、タリクは生かしておいてくれても…… orz
未だ戦場なアフガニスタンの現状とシンクロさせているというコトなのかも知れないけど、救いがなさ過ぎてキツいという、そんな一作。
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