英語字幕で鑑賞
衝撃
こんな世界観を、心の奥底どこかで求めていた気がする。
前作『中国女』とガラッと雰囲気変わって、技術的にも予算的にも何倍もパワーアップ。
映像が本当に素晴らしかった。
カメラがずっとドリーショットで動いてくれて、「これぞ映画だ!」と見応えを感じられた。
映像で奥行きを感じられたゴダール作品は『気狂いピエロ』『軽蔑』以来。
冒頭の影を使った二人の怠い会話からの、
ワンカットの横移動渋滞撮影シーンは圧巻。
これが本当に凄すぎる。 セリフなしでここまでスペクタクルなシーンを観れるとは!!
そして地味に画面の端っことかに自然に死体が転がってるのが中々ショッキング。
全体的に、かなりグロかった。
雰囲気は、アニエスヴァルダの『幸福』とゴダールの『気狂いピエロ』を合わせた感じがとてもした。
前後半で一人二役もやっているジュリエット・ベルト(一瞬で誰か分かる俳優さんですね)、ジャン・ピエール・レオ、アンヌ・ヴィアゼムスキーなど前作からそのままの役で出てきたようなクロスオーバー要素あるカメオ出演などにももちろん注目。
今までの作品と違って、おバカらしさ満載編集はスッキリ消えたが、それでもなお"映像メディア"という媒体の本質を突くような、編集、画、台詞、テーマ、そして音の演出がグレードアップしていたのでとても新鮮にも感じられ面白かった。
初期ゴダールの集大成のような傑作。
さて、ここから商業映画との決別の時代か...