「料理なんて大体めんつゆ入れときゃ何とかなる」
妻が作る親子丼がこの世で一番美味いと思っていたのに、味付けはめんつゆだけだったと知った私の心に沁みる一言。
世の中そんなもんで、悲劇と喜劇は紙一重どころか同時に混在する事も出来る。
笑えて悲しくて、乾いていて湿っていて、そんなシーンの数々が愛おしい。
浜辺で息子役松田龍平さんと父役柄本明さんが語らうシーンがある。
柄本さんがフリフリの日傘を差してるだけでクスクス笑ってしまう。
そんな風に冗談めかしながら淡々と、それでも真剣に想うことを語りだす。
このシーンで二回出てくる松田さんの「そうじゃね(そうだね)」のニュアンスの違い。
あまりの素晴らしさに日本人に生まれた(このニュアンスを理解できた)事を感謝した。
このたった一言、この刹那の瞬間に色んなものがつまっている。
それは現実の日々でも同じ。
うん、やっぱりウチの親子丼が最高だ。