カタパルトスープレックス

ウェット・ホット・アメリカン・サマー(原題)のカタパルトスープレックスのレビュー・感想・評価

3.4
アメリカの正当な「青春バカ映画」の系譜を継ぐ群像劇です。Netflixでも『ウェット・ホット・アメリカン・サマー:あれから10年』という続編となるドラマシリーズがはじまりましたね!

アメリカの「青春バカ映画」の系譜はジョン・ランディス監督の『アニマル・ハウス』(1978年)まで遡ることができます。リチャード・リンクレイター監督『バッド・チューニング』(1993年)もその系譜ですよね。ちょっと前に日本でも公開された『ブックスマート』(2019年)もそう。キーワードは「青い拗らせ」と、それを発散する「最後の日」です。分かりやすいのは卒業の前日にヒャッハーな展開。本作の場合は8週間サマーキャンプの最終日。みんなドラマを求めてる。ああ、このまま夏を終わらせるわけには!

内容的には特筆すべき事件も起きない、オフビートなダラッとした展開です。基本的にキスやセックスをしたいというストレートな感情を、こじらせた感じで出しきれない。もう、テンプレな展開🤣

最後は無理矢理に事件(らしきもの)を作り、クライマックスを演出(するふり)します。「ふり」なので最後までグダグダ。この映画の良さは、そのオフビートなグダグダ感です。グダグダな青春。そのノリが好きなら、最高の映画です。

それにしても、(今となっては)無駄に豪華なキャスト。当時は無名だったのですが、多くのキャストがビッグネームになりました。『アントマン』のポール・ラッドを筆頭に、ブラッドリー・クーパー、エイミー・ポーラーにエリザベス・バンクス。すげー。そういえば『バッド・チューニング』もスター俳優を排出しましたよね。どうやら、この手の青春バカ映画に出る俳優は出世するようです😹

それにしても、続編ドラマをオリジナルキャストでやってしまうNetflixもスゴイ。ちなみに、この映画で「10年後にみんなで会おうぜ」というシーンがあり、それを伏線としてドラマ化しています。