捨てられたおもちゃやぬいぐるみが冒険するお話といえばトイストーリー3ですが…サンリオのトラウマ映画“親子ネズミ”並みに薄ら寒さがあって、たいへん良い不穏さでした…まさにチェコ産映画。
またパペットといってもストップモーションではなく、糸による操演。さすが人形劇の伝統あるチェコだけあって滑らかですね。プロフェッショナルの人形操演者が勢ぞろいで、メイキング動画は圧巻です。
キャラクターデザインもチェコのイラストレーターによるもので、なんとも独特なクリーチャーたちが魅力的。またこの森の生き物たちが乗る車が最高にキュートです。乗ってみたい。
この辺りに興味のある方はDVDに収録されているメイキングをどうぞ。
人形劇としてのクオリティは申し分ありません。ただ糸はむしろ残してくれて良かったんじゃないかと思ったりも。
本編についてはトイストーリー3です。ただアプローチがチェコ流。スラブ系お得意の不穏さが光る。結構好きですね。
ただ子供との交感にまつわるシーンはちょっと冗長だったかも。もう少しシンプルならしまったのに。少し長い…
そのテーマなら、"チェコの良心"ティールロヴァーの“迷子の人形”(https://filmarks.com/movies/8847)が好き。今作はどちらかというと人形と森の不思議な生き物たちの世界を描くことに重きを置かれているので。森の生き物たちはとても魅力的です。満足。
全体的にいわゆる「ほのぼの系」ではないのでご注意。でもお子さんに勧められる作品とは思う。なのに吹替なし…この不思議な生き物たちめっちゃ可愛いのに…もったいない。
