らいち

最後の1本 ペニス博物館の珍コレクションのらいちのレビュー・感想・評価

3.5
新作DVDレンタルにて。面白いっ!
ありとあらゆる生物のペニスを展示するアイスランドのペニス博物館で、唯一コレクションされていない人間のペニスを巡る話。
3人の男が出てくる。博物館の館長であり、最後の1本である人間のペニスを欲する男。かつて冒険家でプレイボーイとして国内で広く知られる、自身のペニスを寄贈したい老人。自身のペニスを「エルモ」と名付け、存命のうちに「エルモ」を寄贈したいアメリカ人男。ドキュメンタリーなのに、登場する3人のキャラが立ちまくっているのが奇跡的(笑)。
館長は変人ではなく常識人であり、ペニスの得るための殺生はしない動物愛護家でもある。ペニスというタブーに切り込み、動物学的な意義をもって博物館をオープンしている。老人は100歳近いヨボヨボの爺さんだ。かつて行為をもった300人近い女性の記録をメモしており、偉業を成し遂げた自身のペニスを死後に展示したいと考える。最も強烈なのは、3人目のアメリカ人男だ。自身のペニスをまさに息子のように慈しみ、多くの人の目に触れさせて栄誉を「エルモ」に与えたいと思っている。そして、その状況を自身の目で見届けたいと願う。アメリカ人男の熱量が異常で最高に可笑しい。自分のペニスを切り取って展示したいという考えが既に狂っているが(本人はいたって冷静)、お披露目の日のために「エルモ」の亀頭に星条旗のタトゥーを入れたり、「エルモ」を展示するショーケースをミリ単位で設計し作らせるなど、ペニスを寄贈してほしい館長の想いをはるかに凌駕していく。その2人の温度差を笑いにまとめた確信犯的な編集にハマる。
ペニスの寄贈を巡って、男の見栄、倫理的な問題、医学的な問題が浮き彫りになっていく。連想するのは、今年日本で起きた弁護士男根切除事件。結末はあらゆる意味で最良な形で収まったと思う。「エルモ」の願いが具現化されたエンドロールも楽しい。やっぱ変だけど。
【65点】