牛猫

僕たちの戦争の牛猫のレビュー・感想・評価

僕たちの戦争(2006年製作の映画)
3.8
定職に就かずに呑気にサーフィンをしていた若者が、戦時中の1944年にタイムスリップする話。

容姿がそっくりな2人の青年が、2001年と1944年互いに異なる時代へタイムスリップしてしまう。過去から現代へやってきた方は文明の進化に戸惑いつつも、平和な日本に順応していくわけだけど、現代から過去へやってきた方は戦争によって命が失われる危機に直面するわけで、気が気でない。戦争を絡めたシリアスな展開になるのかと思いきや、互いの時代に生じるギャップや森山未来のコミカルな雰囲気が上手くハマっていて良い意味で軽いノリで見やすかった。
かと思いきや、終盤またシリアスに戻るというバランスが良かった。戦争について考えるきっかけになったし、当時を必死に生きて、特攻していった人も、今の若者と中身は変わらないということ。そこが際立っていて戦争の理不尽さや愚かさ、残酷さがヒシヒシと伝わってきた。

一人二役を見事に演じ分けた森山未来も素晴らしかったけど、一途な上野樹里と内山理名のダブルヒロインが良かった。

しかし内山理名の眉毛が1944年なのにバッチリ整いすぎているのが気になった。
あと過去にタイムスリップした健太の髪が金髪だったのにいつの間にか黒髪に戻っていたり、終盤怒涛の画面の切り替わりで少し混乱した。CGやセットがチープなのは予算の都合上仕方ない部分もあるけど、詰めれる部分はしっかり詰めて欲しい。
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