イタリア語の原題は“Il capitale umano”、英語だと“Human Capitale”。
経済学で言うところの学歴や資産、労働力から測定した人的資本のことらしく、人徳を思わせる邦題とはちょっと違うニュアンス。
それともあえて皮肉でつけたのか。
本作ではある轢き逃げ事件をめぐり、格差社会の代表それぞれ4つの家族が描かれますが、冒頭からベテラン・スタッフとキャストのお仕事によるしっかりとした映像に惹き込まれます。
シリアスなサスペンスかと思わせて、実はかなりのブラック・ジヨーク。
監督はイタリアの『見わたすかぎり人生』『歓びのトスカーナ』(どっちも観てませんが)のパオロ・ヴィルズィ。
イタリアの格差社会を描いた本作の原作がアメリカの小説とは意外でしたが、この監督、英国人ヘレン・ミレンと米国人ドナルド・サザーランド主演でアメリカが舞台の『ロング、ロング、ヴァケーション』(こっちは観てます)なども撮ってますからアメリカが好きなのか。
しかし轢き逃げされた家族が一番不憫。
それに比べれば他の3家族なんて・・・