今回分かった、僕はオルミの作る絵が好きなんや。
ずーっと観ていたくなる。
全て削ぎ落とし、詩情たっぷりの絵を通して、オルミは、自身追い求めてきた、祈りは叶えられるのか、神は在るのか、を問う。
答えは…
山の稜線と満月。
雪の中の狐。
夜の雪原は穏やかで、
光る木を見つめる
兵士の眼差しは温かい。
ややもすると寓話的。
そして轟く爆弾の投下音。
崩れる土豪。
そして再び訪れる悲しいほどの静寂。
…
白黒に見える程抑制された、雪に閉ざされた塹壕の映像にある仄かな燈火は、前線で憔悴する兵士たちの命の揺らめきのようであり、照明弾や爆撃の光は残酷で、月や自然の美しさは静謐で無慈悲。静かにしかし強く伝え…
>>続きを読むこのレビューはネタバレを含みます
多分第一次大戦だと思うが、ある山の上の方に設置されてるイタリア軍の塹壕での一夜。すぐそこに敵軍。歩哨が屋根で歌ったら向こうにも聞こえてウケてるレベル。大雪で一時休戦となっているところに少佐がやってき…
>>続きを読む月が銀白の大地を照らす凄惨な戦争も、緑がよみがえれば全て忘れられてしまう。
そして実際に忘れてしまった現代人に対する監督からのメッセージだ。
『ブリッジ・オブ・スパイ』同様、老監督としての「今を生き…
巨匠オルミの最新作。第一次世界大戦の塹壕戦を禁欲的に描く。全編が雪の夜、壕の狭い密室空間、難易度の高い設定でオルミが攻める。敵は描かれず、ただ耳をすますしかない。そして命令を伝える電話。すべてが音で…
>>続きを読む