2MO

これが私の人生設計の2MOのレビュー・感想・評価

これが私の人生設計(2014年製作の映画)
3.6
全編を通して繰り広げられる同性愛や男女不平等にスポットを当てた笑いは、それこそがメインテーマ。
社会的弱者の声を代弁はし切れずとも溜飲を下げるには十分に間に合うユーモアの正しい使い方と、真っ当なフェミニズム的な視点に好感を持つ。
自立したヒロインの活発でキュートな姿が、その訴えに一層の説得力を持たせる。

社会性を強く内包したこのような作品がイタリア本国で大ヒットしたのなら、社会的不寛容を重ねられるここ日本でも多少の広がりを期待したいものだが、実情の切実さとそれを笑い飛ばし突破せんとする気概をよく表した『生きていてすみません!』という秀逸な邦題を、『これが私の人生設計』などと、まるで女性向け映画とでも言うように矮小化して改題をせざるを得ないことにその証左が表れてしまっているのではと憂える。
2MO

2MO