YukiSano

AMY エイミーのYukiSanoのレビュー・感想・評価

AMY エイミー(2015年製作の映画)
3.7
天才音楽家の短い一生を描いたドキュメンタリーと言うと重く聞こえるが、ひとりの傷ついた女の子の哀しい話だった。

ジム・モリソンやショニス・ジョプリンにカート・コバーンなど天才たちと同じ27歳で死去したエイミーワインハウスの一生をプライベート映像を交えて赤裸々に見せる。

音楽に全てを捧げ、その繊細すぎる心をドラッグで埋めていくことで、ズダボロになっていく少女。

スキャンダラスな天才というイメージにまみれていたが、これを見ると単なる二十代の女の子だったと分かる。

親の愛に飢えた少女時代を経て、大人になると彼氏にドラッグ教えてもらって身を滅ぼしてしまうという生き様を見ていると、娘を持つ親として本当に怖い。

ことドキュメントは、エイミーの歌が彼女の人生や心情と完全にリンクしていることを証明する。

何よりも雄弁に彼女の心を写した鏡として、歌詞が書かれていたのに誰も助けることが出来なかったという運命が哀しい。

インタビューやプライベート映像ではなく、歌そのものがドキュメンタリーとして彼女を映し出していることが、心に刺さって抜けない。
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