Kevin

バリー・シール/アメリカをはめた男のKevinのレビュー・感想・評価

3.6
航空会社に勤める敏腕パイロット“バリー・シール”(トム・クルーズ)。
そんな彼のもとにある日、CIAのエージェントがやって来て極秘任務を頼まれ、CIAとして働くことになったバリー。
それに加え任務の途中、麻薬王のパブロ・エスコバルらと接触し、麻薬の運び屋としての仕事も同時にこなすことになる。
そうして見る見るうちに大金を手にするバリーだったが、その時間は長くは続かず...。

空の似合う男、トム・クルーズ。
これで55歳て...。イケメンすぎやろ相変わらず。
彼のプリケツを拝められる、ファンの方には堪らない作品だと思います。

最近立て続けに【アトミック・ブロンド】や【女神の見えざる手】など、他人を欺く作品が多く、本作も邦題の“アメリカをはめた男”という副題にその手の映画かと思っていたが中身はどうやら違かったようだ。

どちらかと言えば“アメリカにハメられた男(カタカナ表記にするとちょっとエロい)”の方が近い。(日本はこういう要らん副題とか付けるからいけ好かない)

犯罪モノの準【イエスマン】とでも言おうか。
後先考えず持ち掛けられた提案に乗っかっていったら何だかとんでもないことになっていく。

確かにトム・クルーズ扮するバリー・シールは頭の切れる腕利きパイロットなのは間違いないが、周りを出し抜いたというよりも、周りに上手く利用されてしまったように感じた。
当時のアメリカ、またはその他の国に扱き使われた挙句、残念な最期を迎えてしまった。という感じ。
真の悪はそいつらなんじゃないだろうか。

例えば本作の主人公バリー・シールを“切れ味抜群のナイフ”だとする。
“人”と“物”とを比較しているので通じない部分もあるが、ナイフはナイフだけでは“悪”にはならない。

悪事に用いる者がいて、初めて悪に染まる。
料理人が客を満足させる為に使えば善の道具となる。
全ては使う側次第。
その能力を善に使うか、悪に使うかは使う者に委ねられている。
彼自身に犯罪基質があるないにしろ、結果〝道具〟として使われてしまったという点が不憫でならない。

まあ、扱き使われていく中で莫大の金が手に入るわけで、感覚も狂っていってしまうから改めて〝金〟って怖いなぁと。
そして何だか可哀想だなぁと。違う道もあっただろうに。
事実かどうかは分からないが彼が家族想いとして描かれていたから尚更ね。

どんな時も悪の道は開いている。
その方向に進むのは容易だ。
彼の生き様に合わせ、心に留めておきたい。

と、少々暗めの感想を書いたが、全体的な雰囲気はコミカルに描かれていてテンポも良く、笑えるシーンも結構あるので「こんなことが実際ありましたよ」と知る機会としてはうってつけ。

映像は若干ドキュメンタリー調に撮ったのかな?
少し観づらい部分もあったけど、操縦席で重力を利用したセックス...。
なんて素敵な画なんだろう。笑

いやぁしかしこれが実話だというから本当に驚き。
金が舞い込みすぎて使い道も隠すところもねえよ!ってな感覚一度でいいから味わってみたい。笑
Kevin

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