鋼鉄隊長

バリー・シール/アメリカをはめた男の鋼鉄隊長のレビュー・感想・評価

4.0
TOHOシネマズ梅田にて鑑賞。

【あらすじ】
1978年、大手航空会社パイロットのバリー・シールはその腕を認められCIAにスカウトされる…。

アメリカ無責任時代
冷戦時代のアメリカのメチャクチャさがよく分かる作品。副題にある「アメリカをはめた男」とはバリー・シールで無くCIAのことでは?そもそもアメリカは、はめた側では? この副題はなんだか少し違う気がする…。
しかしそんなことは気にならないほど内容は面白かった。トム・クルーズ演じるバリーは予告編のイメージとは異なる「スケールのデカい小悪党」といった感じ。それでいて責任感のある真面目なところが無責任シリーズの植木等に似ている。犯罪映画だが過度な暴力やエロに走らない爽やかさがトム・クルーズをさらに魅力的にしていると思う。
そして、そんな彼を取り巻く環境は実話とは思えないほどにブッ飛んでおり、禁じ手も平気で使うCIAや人懐っこいけど狂暴な麻薬カルテル、見るからにポンコツな義理の弟等、個性的で強烈な脇役がイキイキと暴れまわっていた。
そんな世界観を上手く表現した演出は遊び心に溢れており、まるで小津調のような変わったアングルやアクション軸を無視したショット構成が目白押しで面白い。映像がテンポ良く切り替わるので観ていて痛快だった。
思いの外良い作品に出会えてすごく満足。とっても面白い映画だった。
鋼鉄隊長

鋼鉄隊長