映画の感想とは言えないかもしれませんが…。
撮影時のアイリス・アプフェルよりは下ながら自分の両親も同年代。支える周囲も大変、何より本人たちがしんどそうで、歳を取ることの難しさを感じる毎日。
そんな状況もあって、「明るく元気に歳を重ねている人を見たい!」という思いで観始めました。
値段交渉しながら好きなものを買い歩いたり、ジャラジャラと大ぶりのアクセサリーを使ったコーディネートシーンにはこちらもワクワク♪
やり手の実業家としても、ファッションアイコンとしても、痛快なほどの生涯と今の日常がテンポよく語られてゆきます。
ただ、この映画の奥行きはその華やかさの後ろに。
自分自身や夫の健康への不安。体の衰え、疲労。不調や怪我。「家に閉じこもっていてはダメ」と、人も自分も鼓舞しながら、気弱になりそうな気持ちと戦っているように見えました。
老いや死はだれにも平等にやってくる。どんな煌びやかな生活をしていてもそこからは逃れられないという現実を、意外にもこの映画はちゃんと見せてくれます。
それだけにお互いへの思いやりとユーモアに満ちた夫婦のやりとりがしみじみとあたたかい。
エネルギーとなるのは周囲への思いやりとユーモア。そして好奇心。言うは易しですが、大切なことは常にシンプルなものかもしれません。
現在御歳98歳。
この映画公開の翌年に夫のカールが亡くなり最愛のパートナーを失いましたが、昨年TVCMでは元気な姿を見せてくれていました。
…やはりパワフル!!!