世界の学ぶ場、研究環境は平等じゃない。
悲しいことだけれど、学びの場にも凄まじい差別がある。
だけど探求者は世界中にいる。
ラマヌジャンの境遇を不幸ととるか、幸ととるか。
彼が思う存分学び、心ゆくまで研究に没頭できる環境があれば...とも思うけれど、果たしてその環境で天才的な発見があっただろうか。
研究とは時に残酷だ。
ルールにとらわれていたら生まれなかったであろうアイディア。
でも世界に発信するためには、ルールを知り、それに則らなくてはならない。
「証明」の意味がわからない
その必要性がわからない
そんなラマヌジャンの痛烈な叫びが、とにかくつらかった。
これは確かにラマヌジャンという過去の偉人を描いた伝記映画だ。
映画の舞台もおよそ100年前の話。
でも映画の中に描かれていた差別社会や、学ぶことすら困難な環境は、現代にも変わらず存在している。
人間とはなぜこうも複雑な生き物なのか。
多様であるがゆえにぶつかり合う、
でもまた多様であるがゆえに新たなものに出会える...
考えさせられる深い映画。
私たちが学校で当たり前に学んだもの一つひとつに、深いエピソードがあるのだと思うと、少し世界が違って見える気がした。