Yoshmon

奇蹟がくれた数式のYoshmonのレビュー・感想・評価

奇蹟がくれた数式(2015年製作の映画)
3.8
天才のみが抱く悩み、葛藤。

僕には無縁な悩みであるが、自身の中にあるアイデアを周囲に理解してもらうためには誰もがジャンプして届く間隔で飛び石と言う名の「ロジック」を組む必要がある。

その重要性を提示してくれている作品。

"どんなに難易な問題でも、誰が聞いても理解できるように分かりやすく説明できる人。それが本当の意味で頭が良い人。"
大学時代、尊敬していた教授の一人に言われた言葉。

とかくインドに実在したラマヌジャンのような規格外の天才から生み出される公式解を、誰しも理解できるようにひも解くことがいかに困難なことか。
(僕には想像もつかないけど、きっと気の遠くなるような分解が必要。)

しかもそれを全く異文化の身内もいない世界で、一人で戦う必要があるのだから折れる骨も残れば良い方。

彼の才能を遠いインドで見出だし、不器用なりにラマヌジャンを理解しようと努め、友人として支えたハーディ教授の存在がなければ今日にラマヌジャンの偉業も認知されなかったかもしれないと考えると感慨深い。
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