嬉しいね。久しぶりに観ていて嬉しい気持ちにさせてくれる映画だった。『ダイ・ハード２』『クリフハンガー』『ドリヴン』のレニー・ハーリン監督が帰って来たよ。思わず、もののけ姫の乙事主の口調で「あぁ、戻ってきた。黄泉の国からハーリンが戻ってきた」とつぶやいたほどだよ。僕は彼の作品が大好きなんだ。先述の作品の他に『ディープ・ブルー』『ロング・キス・グッドナイト』などの傑作大味アクション映画が大好きなんだ。そんな彼の新作がアメリカで大ヒットを記録したとの一報を聞いたときは胸が高ぶったね。非常に楽しみにしていた本作は、彼の大味な演出とジャッキーのコミカルなアクションは親和性が高く、さらにジョニー・ノックスビルが脇を固め、非常に面白い作品に仕上がっていた。ジャッキーとノックスビルの人間的／異文化的交流をベースに、モンゴルや中国の美しい田舎風景と素晴らしい文化を描きつつ、物語の中に上手く落とし込んでいた。アクションでは女子プロ出身のイブ・トーレスがタフな女マフィアを好演。そして香港の笑福亭釣瓶（もしくは西田敏行）ことエリック・ツァンも出番が少ないながらも存在感を発揮。アクション的側面、人間ドラマ的側面、異文化交流的側面、ロードムービー的側面、いろいろな楽しみ方が出来る佳作。監督は続編にも意欲的らしく、もし次回作が作られるのであれば、異文化交流というコンセプトを大事にして頂きたい。
