Ririko

ラ・ラ・ランドのRirikoのレビュー・感想・評価

ラ・ラ・ランド(2016年製作の映画)
3.9
【人は情熱によって心を動かされる】
オープニングから圧倒された。ワンカットのシーンはまるでミュージカルを観ているよう。

○ストーリーについて
「夢」を選ぶか、「愛」を選ぶか

「ああなったらいいな、こうなったらいいな」って誰しも夢を見るのは簡単だけど、実現するのは難しい。

何か一つ大きな夢を叶えたいと思うのなら、絶対に犠牲になるものがある。叶えられると思っていた夢は、全部叶うわけではない…。

夢を叶えるために傷つくこともあるし、傷つけられることもある。それなりの覚悟が必要。人生は生半可ではない。

夢を叶えた直後でも、悩んで後悔することもあるかも知れない。でも「今」は過去の自分の選択の上に成り立っている。その時自分がベストだと思った選択が未来に繋がるわけで、悲観する暇もない。

キラキラな映画と思いきや、夢を叶えることの難しさや叶えた後の葛藤など現実的な部分も描写されているのが良いと思った。

例え惨めでも愚かでも夢に向かって突き進む姿は素晴らしいのだ。


○音楽について
ジャズをやっていた一学生の個人的意見として。

セバスチャンは「ジャズは衰退している」と言っていた。
ジャズを聴く人が全くいないってわけではないが、歴史とか仕組みとか深く理解して聴いている人はほぼいないだろう。
周りにも「ジャズって敷居が高いイメージ」って敬遠している人も多い。
「ジョン・コルトレーン?カウントベイシー?」という感じである。

どうやったら若い人にも聴いてもらえるか?新しい音楽の分野を取り入れる?じゃあ昔ながらのスタイルは取り壊す?
革新を起こす?伝統を壊す?
考えるけど難しい。

ジャズの歴史は、言葉が通じない人達のコミュニケーションの手段から。
それくらいパワフルで、何よりカッコよくてたまらない音楽だってことを伝える必要がある。
純粋に音楽のジャンルとしてジャズを楽しむことはこれからも不滅でいて欲しい。


「セッション」のJ・K・シモンズが出ていてちょっとビクッとなった。笑
Ririko

Ririko