言わずと知れたアカデミー賞作品だけど、まさかの初鑑賞。
結構評価にバラつきがある印象だったから、そこまで期待しないで「自分はどっちなんだろー?」みたいな軽いノリで見てみたら、予想外にめっちゃ良くて大好きな作品になりました。
見てなかった理由は特になくて、強いて言うなら有名すぎたからなんだけど、捻くれずに素直に見ておけば良かった…。
正直、ストーリー自体に特別なものはそこまでないとは思うんだけど、ミュージカルというジャンルが、最大限にこの普遍的な物語りの魅力を引き立たせてる。普通に撮ったら何の変哲のないシーンでも、ミュージカルならではのアイディアのある見せ方が見事にハマってるから、結果的に作品性と娯楽性を両立した凄い映画になってる。
途中からミュージカル調のシーンは、感情という言語化できないものを、あらゆる五感を使って代わりに説明してくれるような感覚になった。中盤以降はもう画面に釘付け。説明できない感動がずっと押し寄せて、終わった後もハッキリとした余韻が残り続けた。
ほとんどの人が見た映画だろうけど、一応ネタバレしない範囲でさらに感想を言うと、ラブストーリーなんだけど、本質はそこじゃないということ。
本物を見つけられるのは、いつだって本物を知ってる人だけ。大人になるということは何かを諦めることではない。抽象的にしか言えないけど、そんな感じの気持ちになった。