FumiyuKo

ラ・ラ・ランドのFumiyuKoのレビュー・感想・評価

ラ・ラ・ランド(2016年製作の映画)
4.7
ミュージカル映画がはらむ矛盾を全てが解決する良作。

ダンス、歌なども入ってくるミュージカルはストーリーを複雑にするとどうしても感情表現が浅くなったり、話を回収しきれなくなる。そんなミュージカルの特性を理解した上で各要素を吟味し削ぎ落とし、もっとも濃いエッセンスだけを最後に残すべく、演出している。美術、衣装、曲、ダンス、あらゆる要素を二人の感情を表すべく配置している。

ストーリー自体はいたって王道だ。ジャズをこよなく愛し、自身のジャスバーを持つことを夢見るセブと女優になるべく奮闘するミア。最初の印象こそ最悪。しかし
夢を追いかけるお互いに次第に惹かれあっていく。そんな王道ストーリーだからこそ、セブとミア、二人の感情がすっと入ってくる。セブというキャラクター男性のロマンティシズムが詰め込まれているのだろう。

ダンスのシーン、歌唱シーンはロングショットで回されており、積み重ねた労力に気が遠くなるとともにその熱量に圧倒される。冒頭のAnother Day of Sunは必見。ミュージカルお約束の女の子色全開のSomeone in the crowdもとっても楽しく、女の子っていいよね!と思わせてくれる(ヒールを蹴り上げ、スカートをはためかせるシーンなんかはたまらない!)

なりよりも衣装やメロディーやシチュエーションに監督の50.60年代ミュージカル作品への愛がよく伝わってくる。

こういった作品は通常都心で10館、地方で2.3館ずつで公開されるのが一般的だろう。アカデミー賞14部門ノミネートという話題性もあり沢山の人に見てもらえるだろうことが素直にうれしい。