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ラ・ラ・ランドのMotoのネタバレレビュー・内容・結末

ラ・ラ・ランド(2016年製作の映画)
4.3

このレビューはネタバレを含みます

この映画のタイトルは”LA LA” LANDですが、これがLA(=ロサンゼルス)とのダブルミーニングだということは自明でしょう。
つまり、この物語はLAという舞台におけるストーリーだということを念頭に置いて考えなければならないということが分かります。
LAというのは、エンターテインメントの街、すなわち'City of Stars'です。
様々な人が’スター’としての成功を夢見る一方、全て人間がサクセスストーリーを歩める訳はではないはずです。

Miaはオーディションの中で、'夢追い人(dreamer)'は'愚か(fool)'だと述べ(歌い)ます。
ここでの愚かさは'fool'であることであり、'stupid'であることではありません。
愚かであることと馬鹿であることは違います。
Steve Jobsの引用したStay foolish, Stay hungryのくだりはあまりにも有名ですが、恐れ知らずのthe "fool'とでも呼ぶべき人々だけが、途方もない夢を叶えることが出来るのかもしれません。

夢を追うということは一つの重要な選択です。
選択は何かを選ぶことであると同時にその他の選択肢を排除するということである以上、時に夢を追うことは痛みなくしてできないのでしょう。
特に、愚かな選択は時により大きな痛みをもたらすものかと思います。
MiaとSebastianが結ばれるという夢は、'if'の世界にだけ存在し、決して実現することはありません。
しかし同時に、失ったものの大きさが成功を決定づけるわけでもないでしょう。
そして彼らは、その痛みを抱いて、抱くことによってこそ前進できるのかもしれません。

p.s. キャスティングだけじゃなくて映画の雰囲気もバードマンに似てませんか?
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