いずみたつや

ラ・ラ・ランドのいずみたつやのレビュー・感想・評価

ラ・ラ・ランド(2016年製作の映画)
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「ミュージカルが苦手な人でも見やすい」という声を聞きますが、それは裏を返せば「ミュージカルが好きな人には物足りない」ということなのかもしれません。

僕自身、ミュージカル映画としては華やかさも躍動感も足りないと感じました。

また、エマ・ストーンの演技は抜群なのに、ミアという女性がどうも好きになれないのが残念です。叔母の影響というだけで、あまり女優や映画への愛がないし、単に有名になって良い生活送りたいだけに見えてしまいました。

"Audition"は素晴らしい曲ですが、ミアはそんなに"狂気"が感じられないんですよね。

ただ、クライマックスに関しては手放しで称賛を送りたくなるほど好きです。ここは最も華やかで、最も切なく、胸が引き裂かれるような名場面でした。

デイミアン・チャゼルは『セッション』に引き続き、最後の力技で観終わった後になんかスゴいものを観た感覚にさせる(もちろん良い意味です)のが上手い監督だと思いました。