風の旅人

ラ・ラ・ランドの風の旅人のレビュー・感想・評価

ラ・ラ・ランド(2016年製作の映画)
4.2
まず最初に断っておきたいのは、この映画は予告編を見て想像していたのと全然違っていたこと。
オープニングのミュージカル・シーンのワクワク感。
ミア(エマ・ストーン)の青と黄のドレス、ボトキエの赤のトート・バッグ、美しい夜景。
前半を観て私が抱いた期待は、話が進むに連れて暗礁に乗り上げていく。
それはミアが着る服の彩度の低下とミュージカル・シーンの減少が端的に示している。
最後にセブ(ライアン・ゴズリング)の店「セブズ」で二人が見る夢想。
あれが私の期待した展開だった。
二人は自分の夢を叶えたが、その代償に恋を失った。
私にとって『ラ・ラ・ランド』は、「夢の国」であると同時に「現実の国」だった。
この映画は映画に何を求めるかによって評価が分かれるだろう。
確かにこの映画を観て、「ここではないどこか」へ行くことはできるが、それは束の間の出来事である。
映画を観終わった後、何とも言えない淋しい気持ちになった。
アカデミー賞の授賞式で起こった作品賞の誤発表という偶然の出来事、「夢から現実へ」と引き戻される展開は、この映画をよく表していると思う。