ゆみゆみ

ラ・ラ・ランドのゆみゆみのレビュー・感想・評価

ラ・ラ・ランド(2016年製作の映画)
5.0
オープニングでいきなり感動して泣いた。あぁこれはこういう映画か。カラフルな衣装に様々な車、ワンカットで流れるように人々が踊り交差し歌い…そのままカットを割らずセブ(ライアン・ゴズリング)、ミア(エマ・ストーン)へ。最高やん!!ニヤけた顔からみるみる涙が溢れた。

全てが劇的で洒落てて、粋で、背景も光も人物も一体となって醸し出すチャゼルの世界。
アカデミー賞をリアルタイムで見てた。デイミアン・チャゼルの監督賞は当たり前。彼にしか撮れない唯一無二の作品だった。

夢を追うミアとセブ。夢を追う街、ハリウッド。"City of Stars"の悲しげな曲調がこんなにも華やかな芸術の街を象徴することの本当の意味が、ラストまできてようやくわかる。
夢を追い続けることは容易いことではない。自信と他人の評価、妥協と転換、挫折と再起。みんなもがき苦しんでいるけど、それでも夢を掴むのは一握り。

切ない。こんなにも切ないなんて思ってもみなかった。極力事前にストーリーや評価は見ないようにしてきたから、ほぼ白紙状態で観た。期待もしないよう肝に銘じ。思ってもみない内容で切なかった。切なくて号泣。そして最高の作品に出会えた!




**ここからネタバレします**




夢を掴むことと、愛を得ることは別だった。愛ある故に夢を掴み、夢を掴む故に愛を失う。こんな切ないことある?きっとhappy endと思い込んでたから、セブがミアの為に、収入の為に始めたバンドが売れ始めた辺りから、二人がダメにならないでとキリキリする思いで祈り続けた。

5年後からの展開は一瞬期待し、そして打ちのめされた。そんな甘い世界ではない。華やかな世界の裏で、たくさんの物を人を失い、身を削り擦り減らして、映画や音楽、絵画にその他たくさんの芸術が生まれてきているのだ。

セブの演奏の間、こうしていればという別世界のストーリーが展開し、涙が止まらなかった。セブのあの表情。切な過ぎて心臓が止まりそうだった。
主演男優賞取らせてあげたかった。エマと共に並ぶ姿を見たかった。ライアンに拍手喝采を送りたい。3ヶ月でピアノをマスターし、代役無しの演奏、そしてダンスに歌、彼の渾身の役作りに拍手喝采を送りたい。あれはピアノを始めて3ヶ月の人の演奏ではないよ。

チャゼルはジャズが似合うね。二作だけだけど。好きなんだろうね。私も「セッション」を観てより好きになった。
この「ラ・ラ・ランド」を作る為に作った「セッション」は、「見てもらわなければ何も変わらない」と語ったキース(ジョン・レジェンド)の言葉に現れている通り、この作品を観てもらえる大きな一歩となった。この作品が大成功を納めて本当に良かった。

作品賞を逃したのは時代の流れもある。だけど夢を見ないでどうやって人生を謳歌できるか。歌も踊りも音楽も、心に潤いを人生に潤いをもたらす大事な要素だ。それを世の中の人に伝えたチャゼル監督の作品は作品賞に値する、素晴らしい映画だった。

語ったな…
こんなベタなストーリーがこんな観たこともない作品になるなんて!最高でした!

2018/03/10 再鑑賞

ラスト10分はまるで「ニュー・シネマ・パラダイス」のラストのキスシーンをつなげたフィルムのようだと思った。
切り取られたあるべきシーン。でも実際はそうではなかったという切なさ。切なさで死にそう…

2018/05/13 再々鑑賞(ラストだけ)

ラスト10分はセブの後悔かな。こうしておけば今とは違う未来があったのに。ミアを自分が幸せにする未来があったのに。後悔だけど、結局は自分が選ばなかった未来。過ぎて初めてわかる、あり得た未来。それを後悔と呼ぶのか。