踊る猫

ラ・ラ・ランドの踊る猫のレビュー・感想・評価

ラ・ラ・ランド(2016年製作の映画)
3.1
酷い。なにが酷いかって、主演している俳優が「演技」をしていないことだ(彼らがアカデミー賞を受賞したのはその意味では酷い皮肉だ)。嬉しければ笑うし、逆に言えば笑うと嬉しそうな感情を見せている……と「表出」はしていても、例えばライアン・ゴズリングがニコラス・ウィンディング・レフンの映画で無表情で怒りや悲しみを全身全霊を込めて「表現」しているようなところには至っていない。彼らは演技を禁じられているとしか思えない。この作品は悪い意味でアニメ的なのだ。それこそアンドロイドが演技をしているような……設定も「ハリウッドで一攫千金を狙う女優志望者なら当然貧乏でしょ?」という凡庸かつのっぺりとしたもので、『セッション』の主人公が何故ドラマーになりたがっていたのか分からないのと同じように説得力を欠く。従って最終的に生み出されたのは、それこそ登場人物たちが斬新なことをやっていると勘違いしている凡庸なジャズにも似たこの作品だ。それこそが狙いだったのかもしれないが。