森崎

ラ・ラ・ランドの森崎のレビュー・感想・評価

ラ・ラ・ランド(2016年製作の映画)
4.0
全ての夢追い人に光と乾杯を。
女優としてオーディションに明け暮れるミアと本物のジャズを守るべく店を開きたいピアニストのセブ。ふたりの出会いと夢の両方にきっちりと幕引きがあって一本の映画として完成されていて、すっきりとした晴れやかな余韻が残る。
個人的に絶賛されているものってどうも人の多さや熱量に負けてなかなか観に行けなかったり自分はいいやとなりがちなんですがひとりで噛み締めるように観ることができて良かった。

ミュージカル映画としては歌唱パートは少なめだけど、オーヴァチュア代わりにテンションを上げてくれる最初の渋滞した高速道路で皆が踊るシーン。主役は出てこないけれど、ひとりひとり夢を持ち表現をしている場所、そこが舞台。彼らの特徴的なところが赤、青、黄、緑、紫のハッキリとした色彩ですね。それがミアの洋服にも色濃く受け継がれる。
冬の目の覚めるような鮮やかなブルー、
春の温かなイエロー、
夏の紫にも近いくすんだ深いピンク、
秋のぐっと深みを増した鈍い緑、
そしてまた冬が来て穏やかな水色…
それぞれの季節を象徴するかのような色とトーンが美しい。そして最後の紫。とってもよかった!中間色、芸術の色。
あの瞬間に私はハッピーエンドだなと思いました。
夢を見ている、夢を持っている、その歩みに嘘が無ければ光は必ず射すだろう。
がんばりたいな、役者じゃないけど。

もうひとつ、セブとてもいい男だ…!
ジャズは嫌い、なんて言われたらコイツ無いわとかクソが!とか思ってもいいところを本物のジャズを知らないだけだ、それを見せてやる、とかよく出来たお方。
そして女性って男性のたくさんの優しさと心配りでより一層輝ける。「車が近いから」とか映画館とか何度と励ましたり、きゅんとしちまうなあ!
森崎

森崎