Yoshimasa

ラ・ラ・ランドのYoshimasaのレビュー・感想・評価

ラ・ラ・ランド(2016年製作の映画)
4.0
歴史と同じように、人生に「if」はない。その「もしもあの時こうしてれば…」を思わずにはいられないほどお互いを愛し、夢を語り合った二人の男女の物語。

そう、男女の恋愛だけを描いた単なるラブストーリーではなく、夢を追うこと、そして諦めることを描いた一種の教訓のような側面も持ち合わせたこの作品。

夢を叶えるために夢を見ることが、人間に許されたほかの動物にはない特権ならば、その夢に破れ後悔することも人間に与えられた試練。夢を追うことで失うもの。また、夢を諦めることで得たもの。どっちが正しいとか間違ってるとかではなく、夢を持つということは生きるということなんだと教えられた気がする。

でも夢に破れ諦めた経験のある者としては、見終わったあともこの作品が深く心に突き刺さり、しばらく放心状態から抜け出せなかった。彼らが選んだその人生、夢が叶った先に待ち受けていたのは、本当に彼らが望んだ結末だったのか。もし、自分が夢を叶えていたなら、そこにあったのは果たして幸福だったのか。今こうしている自分よりも幸福だったのか。だったら無茶をしてでも夢を追い続けるべきだったのか。考え始めたら止まらなくなり、その後何も考えられなくなった。

そんな、見る前は予想もしなかった自分の状況を改めて見て、いろんな意味でこの映画にはとてつもないパワーがあったのだ。ただのミュージカル映画では終わらない、自分の置かれている現状を写し出す鏡のようなそんな作品。

とまぁ、ミュージカル嫌いな人間でも楽しめました。(ということはミュージカル部分なくてもいいんじゃね?とは思いましたが)
でも楽曲はどれも最高。今でも耳に残る名曲の数々。ゴズ兄とエマ姉も本当に最高でした。
Yoshimasa

Yoshimasa