ミュージカル映画は苦手だ。
歌うのではなくて、普通に台詞を言って欲しい。
ラ・ラ・ランドは、ミュージカル映画だ。
最初から苦手なシーンで始まる。
夢を追う男女が、音楽を起点とした偶然な出会いから未来までを歌に乗せ描いていく。
ただ、それだけの話。
それだけの話なんだが、切なさがぐっと胸にくる。
それは、歌のせいかもしれない。
主役の二人の気持ちや想いが、歌になり、心に届いてくる。
天文台のファンタジー感は、ラストの切ないファンタジーの伏線か、いや、全てがラスト10分"in LA LA LAND"の伏線なんだろう。
言葉を乗せた歌さえも、物語のキーとなるあのメロディの伏線に思える。
夢を追うLA LA LAND。
現実のLA。
二人の歩み。別れ。
タイトルに込められた意味もまた深い。
冒頭のシーンだって、夢と現実を見事に対比している。
ラ・ラ・ランドはミュージカル映画だ。
ミュージカルなのに、最後は歌詞なんて要らないだろ!って
音楽ってすごいんだぜ!って言っているようにも感じた。
やっぱり。
ミュージカル映画は苦手だ。
でも。音楽の強さを感じた。
この映画から。
そして。ワクワクしながら映画館に通っていた、あの子どもの頃の映画を観終わったときの感覚を思い出していた。