ポテトヘッド

ラ・ラ・ランドのポテトヘッドのレビュー・感想・評価

ラ・ラ・ランド(2016年製作の映画)
3.5
これほどに賞賛された作品。
なのに、最後まで入り込めなかった僕はどうすればいいのか…
異端、マイノリティ、ひねくれ者。
色々浮かぶ言葉はあるが、こう言うしかない。
"いや、でも、だって"

もちろん本作が"完成"された"ショー"であることに疑う余地はない。
歌に踊りは当然のごとく、画面いっぱいに広がる前衛的な色使いやカメラワーク。
どれを取っても非の打ち所がない。
だが、如何せん音楽なのだ。

本作では良くも悪くも"ショー"が僕らに"提供"される。
全ては壇上での出来事で、僕らは観賞者に過ぎない。
いや君、ミュージカルってそんなもんだよ?
と言われてしまえばぐうの音も出なくなるが。

が、しかしそれでも思う。
音楽こそ僕らが繋がっていられる鉄壁の拠り所ではないのか?
真に心が浮き上がるのは、一つの音楽で境界線を取り払った時なのではないのか?

とはいえ、何も押し付けるつもりはない。
僕にとってはどこか寂しい気持ちにさせられる作品であった。