樽の外のアンティステネス

ラ・ラ・ランドの樽の外のアンティステネスのレビュー・感想・評価

ラ・ラ・ランド(2016年製作の映画)
4.3
映画館で鑑賞。
日本版ポスターのキャッチコピーが「夢を見ていた」。夢は追い求めているから夢であり、大体の場合、それは叶うか諦めるかして我々の人生から姿を消す。消えた夢は即ち夢を見ていた時期の思い出。その戻る事の出来ない時間の名残に時折想いを馳せながら、実人生を歩んでいかなければならないのだ。

オープニングから、現実にはあり得ないと分かっていたって否応なく引き込まれる。そして鮮やかな色彩、(特にゴズリング氏の)ぎこちなさも含めた主役2人のチャーミングさ、文字通り現実から「浮遊する」幻想的なシーン、エマ・ストーンの圧倒的な演技力の光るモノローグ、そして結末。「よくある」などと言われたとしたって、これほどまでに耳に残る音楽もやはり秀逸。
「この世界ではないどこか」に連れて行ってくれる、夢を見ているような作品。
そして映画は、何度だって観ることが出来る。