ふじりん

ラ・ラ・ランドのふじりんのネタバレレビュー・内容・結末

ラ・ラ・ランド(2016年製作の映画)
4.3

このレビューはネタバレを含みます

「セッション」のチャゼルが監督を務めただけあって、「何者かになりたい若者」を描くのが上手い。

ミュージカルも、急に始まるのではなく、時間の流れの中に自然に取り込まれているので、あまり違和感なく見ることが出来る。

何者かになりたいなりたい二人の若者、ミアとセブ。自分の信念を突き通し、「なりたい女優」以外は目指さないミアと、やりたいことはあるけれども世間に迎合しなければならない葛藤を抱えているセブ。

結局のところ、ミアは大女優になり、セブも念願の自分の店を構えるのだが、二人は結ばれることはない。少し前のアメリカであれば、ここを盛大なハッピーエンドにして、二人が結ばれるストーリーを作っただろうけれど、最近のアメリカ映画は「気持ちいいだけのハッピーエンド」にはしなくなった感じを受ける。

最後の、二人が会話も交わさないで、何かを確かめ合うように微笑み合うシーンは、切なさ×清々しさのようなものが相まって、日本人の言う「感慨深さ」が非常にうまく表現されていたと思う。
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