ぐりんでる

ラ・ラ・ランドのぐりんでるのレビュー・感想・評価

ラ・ラ・ランド(2016年製作の映画)
5.0


LA LA LAND
☆ ☆
☆ ☆


💡
💃🕺 ♟


「ラ・ラ・ランド」とはロサンゼルスの地という意味だけでなく、おとぎの国や、至高の世界という意味があるらしい。

ちょっと湿っぽいララランド、確かにラブストーリーだったら湿っぽい。でもこの映画は最初から恋愛より夢を叶えることに比重を置いてると思う

それは一切微動だにしないめちゃくちゃ渋滞してるハイウェイでのご機嫌な開幕が物語ってる
「Another Day of Sun」🚗🚙

「好きだった彼を故郷に置き去りにしてでも、夢を叶えるためにこの地にきたのよ!!私ゃあ!」

と、いつかスクリーンに映る華やかな自分を、自分の歌に背中を押される人々を。各々自分が頂点に立った姿を想い描きながらどんなに行き詰っても頑張るの!!と滾る想いを、溢れるララを歌に乗せ、踊る💃🕺

まるで無数の夢追い人によって作られたこの渋滞は、彼らの状況のメタファー

そんな夢渋滞の中には、ご機嫌な若者たちだけじゃなく、すでに夢の途上で揉まれ悶々としている主人公セブとミアも紛れている。しかも最悪な出会い方をしながら…

そんな物語も面白いんだが、この映画は音楽然り、映像的にもカッコよかったり綺麗だったりエモーショナルが極まってる。最高に大満足な一作。

とくにグッと心掴まれたのは終盤の展開と演出。

ここからネタバレしてます。








結末は、確かに切ない。でもまぁこの切なさは悪いもんじゃない
すれ違ってしまっても、お互いが夢半ばで妥協、諦めそうになった時、背中を押すどころか、その手を引いて夢を思い出させてくれた。

夢の途上で運命的に会うべくしてあった己の半身のような存在への特別な想い。
短い間でいろんなことを共有し刺激し合い最大の理解者となっていた。
関係性ではなく「ずっと愛してる」という想い、切ないがよかった

このララランドの地で夢追い人同士が惹かれ合ったからって、胸焼けのするような恋模様ばかりじゃない。

お互いが背中を押し合い別々の道を行ったから未練があるわけでもないはず、

それでもかつて二人で語り合った夢。
それが叶った姿で再会を果たした時、募る想いは、時の歯車をあの頃へと巻き戻す

そこで描かれるのはまるでおとぎ話みたいな順風満帆な if の世界。二人があり得たかもしれないラ・ラ・ランド

現実は何もかもが上手くいくわけじゃない。過去への夢を見て、それでも今は幸せだと噛み締められる。
あの時があったからこそ今がある。あの人がいたから今の自分がいる

最後にはお互いが、言葉も交わすことなく少し寂しげに称え合い、幸せを祈り合うかのように目線を交わし合う場面が最高

完璧に目だけで愛し合ってた。決してイヤらしい意味じゃなく愛し合ってた!

全体的に大好きだがこの最後に痺れた

ビターでいて爽やかなハッピーエンドでいい余韻だった

最高の一作、この映画を鑑賞してるその時間すらもララランド


感想:公開時は当時の彼女と見たけど、短絡思考星人のおれは夢のために直ちに別れたくなった。特に夢を追っていたわけでもないけど。


ちなみに夢追い人映画だが、特別なことが起きるわけでもなく、高低差の激しい山あり谷ありのサクセスストーリっていうほどでもない。華やかなでレトロな衣装やロスエンジェルスの景色、時折挟まれるファンタジーな描写に、主人公の二人だけでなく、自分もまたシャレた夢を見ているような感覚に浸れる映画

ララランゴズリングのブラウンスーツかっこよすぎる。

ミュージカルソング的には思わず熱く歌いたくなるような曲がないのは残念🤦‍♂️

鼻歌したくなる感じ。

そういう意味じゃやはり湿っぽいミュージカル