舞台はロサンゼルス。
自分のジャズバーを持つことを夢見る、売れないジャズピアニスト、セバスチャン。
ハリウッド女優を夢見て、喫茶店でバイトしながらオーディションを受ける毎日のミア。
あるパーティで出会った2人は、その後何度か顔を合わせるうちに恋に落ちる。
2人の交際は順調だったが、経済的な理由から加入したバンドで彼が思わぬ成功を手にし、2人の関係が変化し始める。
妥協して成功した彼と、思うように夢に近づけない彼女。
お互いがそれぞれ目指す夢。
そして2人は岐路に立たされることとなる...。
食わず嫌いな感じのミュージカルだったが、本作は芝居から歌への導入がスムースで見易く、鮮やかな色彩に彩られた映像の中、主演の2人が魅せる演技が光る内容だった。
「夢の追求」と「経済的な余裕」は、両立することが難しい。
ちょっとした偶然で、成功したり、失敗したり。
物語の最後で2人はそれぞれの道でそれぞれの結果を出すこととなる。
そしてエンディングの「回想」。
彼と彼女のどちらが見た「夢」なのか真相は明かされていないが、この短いシーンのお蔭で、より深みと切なさを物語に与えることになっていると思う。
「成功する」とは何なのか?「愛する人を想う」とはどういうことか?
いろいろ考えさせられる物語だった。
2018/01/27