しゃび

ラ・ラ・ランドのしゃびのレビュー・感想・評価

ラ・ラ・ランド(2016年製作の映画)
2.0
始めのシーンを観た瞬間、これはとてつもない映画が始まったのではないか、という予感がした。交通渋滞を見事なミュージカルシーンに仕立てあげていて、冒頭のカメラの横移動からとてもワクワクした。

しかし、かなり早い段階でガス欠を起こし、途中から冗長な空間がダラダラと続く印象だった。

ベースがなんて事のない男女の恋愛模様なので、今ひとつ入っていけない。
ミュージカルシーンの中には、出し方によって名作になりそうなものもあるが、ここまで連発してしまうと正直飽きる。『セッション』は2人の戦いの構造と音楽が見事にマッチし、火力を高めていた。しかしこちらは元のラブストーリー自体の構成が非常に弱い。その為、ストーリー・音楽・映像が足を引っ張りあっているように感じる。

これをやるなら、2人の恋にもう少し彩が欲しい。女優になりたいという熱量をそれほど感じないヒロインと、こだわりだけが強いジャズ男がたまたま出会った、というだけの話ではあまりに弱すぎる。

個人的に冒頭のシーンと2人のタップダンスのシーンは名作の域だと思う。それだけに自分にとっては歯がゆい気持ちになってしまう作品だった。
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